 
まず最初にサーフェイサー、通称サフを吹きます。必ず必要な工程です。アルミに直接、塗料は乗らないので必ず下地作りが必要です。逆にいえば下地さえしっかりしていれば丈夫な塗膜ができます。
私はエアガンで吹きますがアマチュアの方は缶スプレータイプが手軽でよいでしょう。弊社の工房で使っているのはイサム塗料のウルトラサフです。硬化剤とシンナーの割合は気温などで変えていきます。
 
ケースを塗装しやすいように板に両面テープで固定します。ケースは特に下処理はしません。ペーパーなどで表面を荒らすというのも一般的には知れた方法ですが不要だと考えています。表面にホコリがないかだけ気をつけます。
淡い色を塗る場合は少し厚塗りします。塗り終わったら丸一日、乾燥させます。
 
次に色を塗ります。ここは極端な話、色が付けばよいので塗料は何でも構いません。工房にも水性タイプ、アクリルタイプ、ラッカーなどいろいろな種類の缶スプレーがあります。小ロットの場合は缶スプレーを使用しています。ここでどのような塗料をつかっても塗膜の強度には関係ありません。(強度は下地で決まります)
 
極力、薄めに何度も吹いていきましょう。左が最初のひと吹きです。3〜4回吹いていきます。
 
私の場合ですがサイドを吹いてトップを吹きます。塗り終わったら丸一日乾燥させます。
 
シールを貼ります。この工程で終了しても構いません。
 
次にウレタンクリアを吹きます。これも硬化剤とシンナーの割合で仕上がりに差がでます。アマチュアの方はクリアの缶スプレーが手軽でよいでしょう。
 
丸一日、乾燥させて完成です。蛍光灯が映るくらいツヤツヤになりました。プレミアムキットシリーズはこの工程まで施しています。
通常はこれで終了ですが更に艶を出したい場合は鏡面研磨をします。
 
表面を細かいペーパーで軽く削ります。そして細目のコンパウンドで磨きます。工房で使用しているのは3Mのカット・1-L 5967 細目です。
 
写真ではちょっと分かりにくいですが、、、作業台の電気スタンドの明かりが映りこんでいます。上の完成してるのは研磨加工なし、下が今回の鏡面研磨したケースです。
まあ、エフェクターのケースにそこまでやる必要があるのか?とは思いますが(笑
これで下地層、塗膜層、クリア層と3層構造なので傷に強いケースが出来ました。落としたり引っかいたくらいで剥がれることはありませんよ。
弊社の工房での塗装工程を紹介しましたが何かの参考になれば幸いです。
このページを作っていて、昔、ケースをサンドペーパーで一生懸命こすってスプレーして梨地になってしまったり後からペリペリと剥がれたりして悲しい思いをしたことを思い出しました。
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